理解する順番
おすすめ:基礎30分 → 事例集60分 → 法令マップ20分 → テスト20分。テスト結果はこの端末のブラウザ内にのみ保存されます。
相談を受けたら、まず法令マップで「どの法令が重なっているか」を確認してから個別の要件に入ると、取りこぼしが減ります。
まんがで見る「相談対応のリアル」
条文の前に、現場で実際に何が起きるかを4話で見てください。所要5分です。事業部門は悪気なく危ないことを言います。悪いのは人ではなく、確認の順番を知らないこと——という前提で読むと、この教材全体の狙いが伝わります。
最初に押さえる基礎
生きている個人についての情報で、氏名などにより本人を識別できるもの。他の情報と簡単に照合して本人を識別できるものも含みます。
検索できるように整理された「個人情報データベース等」を構成する個人情報。第三者提供、安全管理、漏えい対応などの中心となる概念です。
会社が開示・訂正・利用停止などを行う権限を持つ個人データ。本人から請求を受ける場面で重要です。
人種、信条、病歴、犯罪被害など、差別や不利益につながりやすく、特に慎重な取扱いが必要な情報です。
Cookie、閲覧履歴、位置情報など、生存する個人に関する情報ではあるものの、提供元では個人情報に当たらない情報。提供先で個人データとして取得されることが想定される場合には特別な規律があります。
30秒で言うと
個人情報保護法は、情報を使うことを全面禁止する法律ではありません。
目的を明らかにし、必要な範囲で、安全に使い、本人の権利を守るためのルールです。
相談時の第一声
「何の情報を、誰から、何の目的で取得し、誰が使い、どこに保存し、誰に渡し、いつ消しますか?」
情報のライフサイクルで考える
利用目的を特定する。取得方法が適正か確認する。要配慮個人情報なら取得根拠を確認する。
利用目的を通知・公表する。本人から書面で直接取得する場合は、原則として事前に明示する。
目的の範囲内で利用し、安全管理措置、アクセス制御、教育、ログ、委託先監督を行う。
第三者提供か、委託か、共同利用かを区別する。外国にある第三者への提供も確認する。
開示・訂正・利用停止等の請求窓口と手順を整備する。
不要になったデータを適切に消去する。漏えい等が発生した場合は初動、調査、報告・通知要否を判断する。
役割分担の目安
事業部門が説明すること
セキュリティ担当が確認すること
法務・個人情報保護管理者につなぐこと
相談受付テンプレート
チェック状態はこの端末にのみ保存されます。
SaaS事業会社の問い合わせ事例集
漏えい等が疑われたとき
- 事実を止める:公開停止、権限停止、誤送信の回収依頼など。ただし証拠を消さない。
- すぐ報告する:上司、CSIRT、法務、個人情報保護管理者など社内ルールの窓口へ。
- 範囲を調べる:対象者、項目、件数、期間、閲覧・取得の可能性、暗号化状況。
- 二次被害を防ぐ:パスワード変更、トークン失効、顧客対応、監視強化。
- 報告・通知要否を判断:個人情報保護委員会への報告と本人通知が必要な類型か、法務等と判断。
- 再発防止:原因を人だけに求めず、仕組み、権限、UI、教育、レビューを改善。
初動で集める情報
「自分で判断してから報告」ではなく、疑いの段階で早くエスカレーションします。
個人情報保護法だけでは足りない
相談対応で事故が起きるのは、たいてい「個人情報保護法はクリアしたので大丈夫」と判断したときです。ひとつの行為に複数の法令が同時にかかり、しかもそれぞれ要求することが違います。まずどの法令が重なっているかを見てから、個別の要件に入ってください。
ひとつの行為に、いくつの法令がかかるか
※ 表は横にスクロールできます。◯=通常かかる/△=事情によりかかる/−=通常は対象外
| よくある相談 | 個人情報 保護法 | 電気通信 事業法 | 不正競争 防止法 | 不正アクセス 禁止法 | 特定電子 メール法 | 契約 (DPA/SLA) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| サイト・アプリに解析/広告タグを入れる | △ | ◯ | − | − | − | △ |
| 名刺・問い合わせ情報へ営業メールを送る | ◯ | − | − | − | ◯ | − |
| 退職者による顧客リスト持ち出しの疑い | ◯ | − | ◯ | △ | − | △ |
| 自社サービスへの不正ログインを検知 | ◯ | − | − | ◯ | − | ◯ |
| 脆弱性診断・ペネトレーションテストを行う | △ | − | − | ◯ | − | ◯ |
| 顧客データを海外リージョンに置く | ◯ | − | − | − | − | ◯ |
| 委託先へ顧客データを渡す | ◯ | − | △ | − | − | ◯ |
この表は「思い出すため」のものです。◯△の判断は事実関係で変わるので、該当しそうなものは下の各法令カードと一次情報で確認してください。
法令ごとの要点
理解度テスト
主要な情報ソース
教材内では、各事例・各設問に 規範レベル のラベルを付けています。「法律で決まっていること」と「推奨にすぎないこと」「自社で決めるべきこと」を混同しないための目印です。最終確認は必ず最新版の一次情報を利用してください。
ラベルは学習の便宜のための整理であり、個別案件の法的評価そのものではありません。
- e-Gov法令検索:個人情報の保護に関する法律
- 個人情報保護委員会:法令・ガイドライン等
- 個人情報保護法ガイドライン(通則編・令和8年4月一部改正)
- 個人情報保護委員会:漏えい等の対応とお役立ち資料
- 個人情報保護委員会:生成AIサービスの利用に関する注意喚起
- 個人情報保護委員会:FAQ索引
その他の法令・制度(CHAPTER 5 関連)
- e-Gov法令検索(条文の一次情報。改正の反映日を必ず確認する)
- 総務省:外部送信規律(法令・ガイドライン・パンフレット)
- 総務省:外部送信規律FAQ(自社が対象役務に当たるかの判断に使う)
- 総務省:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
- 警察庁:不正アクセス禁止法など関係法令
- 個人情報保護委員会:法令・ガイドライン(番号法の特定個人情報ガイドラインを含む)
- IPA:情報セキュリティ(対策の実装面の参考)
- 経済産業省:サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)
教材更新日:2026年8月5日。個人情報保護法ガイドライン(通則編)は令和8年4月1日時点の条番号を示す版を参照しています。CHAPTER 5 の各法令は条番号・要件・期限が改正で変わるため、判断の前に必ず上記の一次情報で最新版を確認してください。